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更新日:2026年5月21日
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野生とは、厳しい世界です。生き延びて当たり前という人間の世界とはまったく違い、明日生きている保証は何もないのです。野生の小鳥の平均寿命についてはデータが少ないのですが、およそ1年半前後と考えられています。一冬を生き延びたものは経験を積み学習をし、数年あるいは10年以上も生存する可能性もありますが、その割合はおそらくヒナの段階からすると1割あるかないかという程度と言われています。
自然界での命の原則は、他の生物の食物となることであり、生き延びるものはほんのわずかです。食べられる側は食べる側よりも数が多く、同時に子だくさんという原則があり、さまざまな生物種が共存しています。
虫や魚の卵の数を想像してみてください。小鳥も猛禽類や獣に食べられたり、ヒナや弱ったものがカラスのような雑食性の鳥に食べられたりする一方で、卵をたくさん生んだり、春から夏の短期間に子育てを繰り返したりして対応しています。もし、卵すべてが親になったとしたら、増えすぎによって食物やすみかが不足する事態となるでしょう。
その種の食物となる生物を食べ尽くしてしまえば、その種もまた存続できなくなってしまうかもしれません。そうならないのは、厳しい野生の世界では生き延びた一部が子孫を残していくという、生態系のバランスが保たれているからと考えられています。
そうは言っても、目の前のヒナや傷ついた野生生物を助けたいという優しい気持ちに対してほおっておけと言っているわけではありません。助けたいとすれば、助けるべき対象かどうかという判断と、どのようにしたら助けられるかという知識が必要になります。
身近で繁殖する鳥の代表格であるツバメでさえ、野生に戻れるように育て上げるには大変な苦労があるそうです。
ヒナを育てるのがどうして大変かというと、多量の動物質の食物が必要であったり、栄養が偏ってしまうと障害が現れたり、ヒナがうまく野生の生活に適応できるような学習をさせられなかったり、といったことがあります。
たとえば、スズメでは一回の繁殖で4,200回もヒナに餌を運んだという例が報告されていますし、人がいつまでも餌を与えていればヒナは独立しようとしないことも知られています。
また、人になれてしまったがために、周囲を警戒しなくなって捕食者に食べられてしまったり、放しても帰ってきてしまうというように野外生活に戻れなくなってしまった鳥の例もあります。
このようなことから、山形県では、落ちているヒナについて相談を受けた場合、「そのままにしておく」ことを基本に、必要な場合は「巣に戻す」「枝などにとまらせる」ことをお願いしています。
なお、基本的に、野鳥の捕獲・飼育は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」によって禁じられています。
詳しくは、最寄りの総合支庁環境課または県庁みどり自然課までおたずねください。
このページの作成にあたっては、(財)日本野鳥の会、(財)日本鳥類保護連盟の承諾を得て「ヒナを拾わないで!!」キャンペーンポスターから文章の一部を引用させていただきました。
A 巣立ちしたばかりのヒナはうまく飛べません。だから、枝から枝へ移る時などに、地面に降りたりしてしまうのです。
A 近くに姿が見えなくても、親鳥は必ずヒナのもとへ戻って世話をします。人がヒナのそばにいると、かえって親鳥はヒナに近よれません。そのままにしましょう。
A 近くの木の枝先など、ネコが近よれない所にとまらせておきましょう。
A 私たち人間には、飛び方や、何が危険なのかをヒナに教えることができません。自然の中で自立していけるように育てるというのはとても難しいことなのです。
なお、野鳥を飼うことは法律で禁止されています。(参考:「野鳥は飼うだけでも罰せられます(PDF:604KB)」(全国野鳥密猟対策連絡会))